私たちの日常生活、食生活のなかで、醗酵食品がとても多いことはご存じでしょうか。味噌、醤油、みりん、酒、酢はすべて醗酵食品だといえます。昔からある鰹節も醗酵食品です。小さいころに鰹節を削ったご記憶のある方も多いことでしょう。この発酵について考えていきたいと思います。発酵はどこの国でもあるわけではありません。とりわけ日本にはこの発酵の文化が強く根付いています。

日本で発酵の歴史が長いことには理由があります。それは日本独自の温暖で湿潤な気候があるためです。この気候にあった食文化である発酵について考えていきたいと思います。ヨーロッパには、醗酵の原理をつかった食品としてはカマンベールチーズやブルーチーズがあります。西欧では乾燥している地域が多いため、どうしても醗酵食品が日本に比べて少ないのです。

西欧は地中海性気候で乾燥帯が多いですが、日本は温暖湿潤気候が大部分を占めています。そのため、温かくて湿った気候が多く、醗酵にとても適した風土が存在しています。平安時代から室町時代にかけて、麹とよばれる穀物に生える醗酵のもととなるものがありました。麹を作って酒屋さんに販売していたこともありました。

湿気の多い日本では、酵母菌が繁殖しやすい環境があります。その環境のなかで、先人たちはうまく生きるすべを身に付けていました。日本人は醗酵をうまく活用して、売買を行い食生活を送ってきた民族です。醗酵食品においては日本は先進国として立派に文化を作ってきたのです。

麹を使用しているところが、日本の醗酵文化には特徴的なところです。麹菌を培養させる技術を私たち日本人はもっています。米や大豆などに加えて培養するのですが、実は味噌、醤油、酢などはすべて麹を使って作られているといわれています。お隣の中国では大豆で麹を作ることがありましたが、ここ日本ではお米で麹を作っています。ここが日本独自の醗酵文化の起点となったところといえます。

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